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<<   作成日時 : 2005/12/01 22:35   >>

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ロバート・アルトマン監督『バレエ・カンパニー』。とても苦手なロバート・アルトマン作品だったのですが、バレエを題材にした映画が好きなので、DVDで観ることにしました。

[ストーリー]
ジョフリー・バレエ・オブ・シカゴ(シャーリーズ・セロン、パトリック・スウェッジを輩出)の団員であるライ(ネーヴ・キャンベル)は、順調にキャリアを積み上げてきた。
著名な振付家ラー・ルボヴィッチ(本人出演)の演目では、
代役としてレッスンしていたライが、本役の怪我によって主役のチャンスを手に入れる。そして、嵐のなかの野外公演では大成功をおさめる。
ダンサーとして大きく飛躍する局面にさしかったライは、
私生活でも暖かな人柄のレストランのシェフ、ジョシュ(ジェームズ・フランコ)と知り合い、彼の存在にささえられるようになる。
クリスマス、新年と、シーズンも後半にさしかかり、
ライはふたたび大きな役をキャスティングされる。そして…

[観おわって]
鍛え上げられた肉体、しなやかで一糸乱れぬ精緻な動き。
バレエというのは、舞台表現の究極の形なのではないか思うほど美しい芸術です。
この映画でも、本物のダンサーによる華麗な踊りを目にすることができます。

しかし残念なことに、
とにかく登場人物の感情の機微が全くと言っていい程描かれておらず、
どのキャラクターにも感情移入をすることができませんでした。
原題は『The Company』。
まさにプロのバレエ団というのは、プリマをめぐる争いや、
体を酷使する職業ゆえに一つの怪我が命取りとなる現実、
バレエ一本で食べていけるのかという不安もあるでしょう。
私の友人にもプロのダンサーがいますが、
彼は、ミュージカル俳優として舞台に立つ傍ら、
ダンススクールの講師や六本木のショーパブでアルバイトをし、
なおかつ、32才という年齢に屈しまいと毎日血の滲むような
トレーニングをしています。
彼らは、安定した生活と引きかえに、命がけで踊っているのです。
そんなダンサーたちの現実を、この映画では、
日のひかりの差し込むすてきな部屋のレッスン風景で覆い隠してしまいます。
この映画は、元バレリーナのネーヴ・キャンベルが実際に経験した実話が
元になっているそうですが、それなら、バレエを辞め女優に転身していく話の方が
よっぽど面白かったと思います。
彼女の愛くるしい笑顔にはリアリティの欠片もなく、見ていて痛々しいほどです。

バレエの世界を描いた映画はこれまでにも数々作られています。
2000年に製作された『エトワール』という映画は、
まさにバレリーナたちの圧倒的にリアルな姿を描いたドキュメンタリーで
美しくも厳しい世界が見事に描かれたとても印象深い作品でした。
バレエものを観たいなら、断然こちらの方をおすすめします。

『バレエ・カンパニー』の監督は、巨匠ロバート・アルトマン。
1957年『ジェームズ・ディーン物語』がヒッチコックに気に入られ、
彼の紹介でTVシリーズ『コンバット』などの演出を手がける。
1967年の『宇宙大征服』が実質的なハリウッド監督デビューで、
1970年の『M★A★S★H マッシュ』がカンヌ映画祭グランプリを受賞した。
1980年の『ポパイ』の興行的失敗で一時干されるが、
1992年の『ザ・プレイヤー』で復活。以後『ショート・カッツ』、
『プレタ・ポルテ』などかつてのテイストの作品を輩出している。

彼の作品は、『ザ・プレイヤー』『プレタ・ポルテ』など後期の作品しか
観ていないので、多くは語れませんが、
社会風刺やブラックユーモアを得意とする監督なのだそうです。
私は『ザ・プレイヤー』を観た時、
人を小馬鹿にしている鼻につく映画だな、としか思えませんでしたが。。。

『バレエ・カンパニー』は彼の最新作ということで、現在80才!
もう十分功績を残されました、
そろそろご勇退されてはいかがでしょうか。(★★☆☆☆)

『バレエ・カンパニー』
2003年アメリカ・ドイツ映画
監督 ロバート・アルトマン
出演 ネーヴ・キャンベル/マルコム・マクダウェル/ジェームズ・フランコ

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映画評「バレエ・カンパニー」
☆☆☆(6点/10点満点中) 2003年アメリカ=ドイツ映画 監督ロバート・アルトマン ネタバレあり ...続きを見る
プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
2005/12/05 17:00

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
>そろそろご勇退されてはいかがでしょうか。

いえいえ、ポルトガルのオリヴェイラ監督や日本の新藤兼人監督など、ご高齢でも頑張っている監督はたくさんいます。
たしかに『バレエカンパニー』はいまいちでしたが、アルトマンに勇退なんてすすめてはいけません。芸術家は死ぬまで芸術家なんです。

ところで、バレエ映画について今、ネットで探索したら以下のリストを見つけました。
これ、見ると、名作、多いですね。

http://pws.prserv.net/rasagi-a-ballet/CinemaList.htm

『我が家の楽園』なんていうのは(バレエのシーンが出てくるというだけで「バレエ映画」とは言えないと思うんだけど)、個人的に好きな映画ベストテンに入るぐらいの作品です。
あと見てないけど、テレンス・ヤング監督(007シリーズの監督です)の『ブラックタイツ』というのが、007のりのバレエ映画(?)でお馬鹿で面白いと知人から聞いたことがあるなあ。
kusukusu
2005/12/02 00:44
ご勇退は言いすぎでしたね、失礼しました。でも、アルトマンがいいと言う人に、どこがいいのか教えてほしいと思ってるくらいです。

バレエ映画いっぱいありますね。バレエシーンはやっぱり絵になるし、誰もが覗いてみたい世界だと言うことなんでしょうね。
『ブラックタイツ』ってタイトル、とても気になります。
Ako
2005/12/02 01:45
アルトマンは僕もそんなに好きなほうじゃないけど、『ロング・グッドバイ』は最高でした。アルトマン作品でおすすめするなら『ロング・グッドバイ』。

アルトマンってごちゃごちゃ、次から次へと人間が出てくる集団劇って感じなんですよね。だから特定の人物に感情移入してみようとするとすぐ別の人物の話に移っちゃったりうまく感情移入できないところがありますね。『バレエカンパニー』も、こういう人の話なんだなと人物像がつかめてきたら終わってしまったという感じで(笑)。
kusukusu
2005/12/02 02:24
クジラの島の少女」でコメントを戴いたオカピーです。あちらにもTB致しましたが、こちらにもTBさせて戴きました。

ロバート・オルトマン(アルトマン)は言わずと知れた群像劇の大家で、有象無象の人間から人間の営みの奇妙さ(醜さ)を描く作家ですが、私も実は余り好きではありません。従って、彼を弁護するわけではないのですが、この映画は実は群像劇ではないですし、ヒロイン(と言って良いのか微妙ですが)の人生を見せる映画でもありません。それ故に何故オルトマンがこの作品を作ったのか未だに解せない部分があるのですが、それはともかく、この映画の主役はバレエ(実演)そのもので、人間は脇役に過ぎないでしょう。つまりAkoさんが弱点と思った部分(リアリティの欠如など)は恐らく意図的なものと思います。同じようなタイプに「ドラムライン」という作品があります。これもお話は全く面白くありませんが、そこを軸に作品を評価すると作品の狙いを外したことになりそうです。
オカピー
2005/12/05 17:20
『ロング・グッドバイ』は、きっと全く別の印象を持つと思います。
(好き嫌いは分かりません)

確かに、『ザ・プレイヤー』と、『バレエ・カンパニー』だけだったら
そういう印象を持つと思いますけど、ちょっと勿体ない気がしました。
(続く)
まぶた
2005/12/13 10:19
『ブラック・タイツ』は、ローランプティという振付家の、
確か、3つの作品の抜粋(?)を
そのままスタジオで撮った映画です。

ローラン・プティは、世界的なバレエ振付家で、
ミュージカル映画の振付も何本かやった人です。

彼のバレエ作品の抜粋ですから、
つまり、台詞が一つもなくて、
台詞は幕と幕の解説だけで、
あとは、音楽だけで踊りと表情で物語(?)が進みます。

DVD持っているのですけど、ずいぶん前に見て忘れました。

ジジ・ジンメールは、プティの奥さんで、
非常に非常に脚の美しい女性ダンサーです。
彼女の映像は少ないので、それ見るだけでも価値があります。

ジャンメールの回りのワキを
ミュージカル映画俳優ががっちり固めてる作品。
映画好きより、バレエ好きに進めたい作品です。
(続く)
まぶた
2005/12/13 10:22
×「進めたい」→○「勧めたい」

バレエの収録って、変なアップがあったり、
肝心なところで足先が映ってなくてイヤになるけど、
テレンス・ヤングは、名を成した監督だけあって、
収録したバレエとしても、とても良いです。

カメラワークとか、バレエと一緒に酔える…。
ああ、、、うっとり、、、。

Akoさんがバレエ好きならオススメ。
バレエ風な物語作品がみたいならやめといた方がいいです。

すみません。バレエ話になると意味なく長くなるんで、、、。
まぶた
2005/12/13 10:23
考えてみたら、通りすがりでいきなり長文書き込んで
申し訳ありません、、、。

かなり自分の考えで映画をご覧になれる方の
ような気がしたので、ぜひ、『ブラック・タイツ』の
ことをお教えしたくなりました。

熊川哲也の代表作(?)である、プティ振付『カルメン』も
この中に収録されてますよー。
まぶた
2005/12/13 10:48
まぶたさんへ

コメントありがとうございました。
バレエはやっぱりライブで見るに越した事ないですが、敷き居が高くてなかなか見にいく事が出来ません。ローランプティも熊川哲也(キャラ的にカナリ苦手だけど)も見てみたいとは思いつつ、いまだに行けずにいます。その点映画は1800円を払えば、ジーンズをはいて、一人でだって観にいく事ができるのでお手軽ですよね。
『ブラック・タイツ』ますます観たくなりました。

通りすがりのお立ち寄り、本当にありがとうございました。またのお越しをお待ちしております!
Ako
2005/12/13 23:07
>『ブラック・タイツ』は、ローランプティという振付家の、
確か、3つの作品の抜粋(?)を
そのままスタジオで撮った映画です。

そうなんですかー。
007の監督だから007のりのバレエ映画だなんて、まるっきり嘘の情報を書いたのが、まぶたさんというバレエマニア(?)の方の書き込みでバレテしまいました。ごめんなさい。
kusukusu
2005/12/14 01:29

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