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help リーダーに追加 RSS 『夢の中へ』

<<   作成日時 : 2006/01/21 23:52   >>

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園子温監督の『夢の中へ』を観ました。
外は大雪。今日も外へ遊びに行く事が出来ず、インドア生活続きです。。。

[ストーリー]
さえない役者、鈴木ムツゴロウ(田中哲司)は、恋人と同棲をしている。
恋人と喧嘩が絶えず、一方で三流劇団の女優ランコ(市川実和子)とも付き合っている。
そこにきて鈴木の体調に異変が…。
小便が沁みるのだ。鈴木はすぐに性病だと直感する。
散々の一日が終わって、倒れこむように鈴木が眠ると、
突然夢の中に、肩に銃弾を浴びて血まみれになったテロリストの自分が。
そしてその悪夢からさめると今度は取り調べ室。
そこには鈴木の親父(麿赤兒)と、なぜか次の芝居の演出家(温水洋一)もいる。
何の取り調べかもわからずただただ怒鳴られる。
そして目を覚ます鈴木。
鈴木は東京を逃げ出す口実として、同窓会に行くことを決意。
実家に帰ろうと電車に乗っている最中も何度も夢を見る。
テロリストの夢と取り調べの夢。
そこでは現実の人間が刑事になったりテロリストの仲間であったりする。
鈴木はどんどん夢に侵食される。夢の鈴木が「今日ヘンな夢を見た」という。
同窓会の夜、すべてが爆発する。今まで生きてきた人生すべてに対し、
反省と怒りがこみ上げてくる。
夢の中の鈴木は、これですべて終了と宣言し、同窓会で絶叫したまま、
その場所を飛び出していく。
夜の道を絶叫しつつ、「夢の中へ」を歌いながら走り抜けていく――。

[観おわって]
時にはお気楽で、時には八方塞がりで、ただ日々をやり過ごす日常。
そんな中、男は夢の中へ引きづり込まれていきます。
普通の男の頭の中にある非日常的状況が次々と映像化されていきます。

主演は田中哲司。静かな存在感を持つ俳優です。
個性的ではないけれど、浮遊する魂を抱え、常に不安そうな表情を浮かべています。
この映画では、監督の分身とも言える主役の男を演じ、
大いに惑い苦しみ翻弄され、そして疾走します。

売れない俳優。女にだらしなく、酒を飲むと毎回正気を失う。
そして世界転覆(?)を企むテロリストグループの中にいる自分と
スーツを着てひたすら取り調べを受ける自分という夢の世界。
その境界線はしだいに曖昧になり始め、一体どの世界が現実なのか、、、
過去や未来、妄想と現実が、頭の中で混同していき、
やがて「自分」は狂気の中へ逃げ込むほかなくなるのです。
人間の持つ不安定さが、一つのリアリティとして私の胸に突き刺さりました。

私にもあります、狂気の一歩手前みたいな状態が。
本当の自分はどこか違う所にあって、
例えばそこは、夜のクラブで、酒と大音量の音楽と男にまみれた場所であり、
例えばそこは、空気のきれいな田舎で、可愛い子供と旦那さんと幸せに暮らす家であり、
今の自分は現実ではなくて、違う現実が他に用意されているのではないか、
それなら、愛想笑いのこの毎日に何の意味があるのか、、、
想像する世界の大きさと現実の世界の小ささのギャップに戸惑い、
鏡に映る自分は夢なのか現実なのか、よくわからなってくる。
不安定な足場を歩いているような、妄想にも似た変な感覚に襲われることがあります。
そんな時、現実に踏み止まっている事の方が不思議に思えます。
(精神科行った方がいいって?)
でも、現実とだけ向き合って生きている人なんているのでしょうか。

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無個性な主人公とは対照的にキワキワの演技で怒濤のように魅せる脇役陣。
オダギリジョー(写真)、村上淳(写真)、市川美和子、麿赤児、温水洋一、、、
腫れぼったい無邪気な目でキレた男を見事に演じたオダギリジョー、
もちろんタイプです。
オダジョー好きの女にはたまらない、あの危なっかしい存在感。
演技なのか地なのか判断つかないセクシーさは年々熟成されてます、
抱かれたい。。。

監督は、園子温という人(日本人)。
PPF(ぴあフィルムフェスティバル)出身で、
インディペンデントな精神と詩的な情感を持つ映像作家。
高校生の時に初めて『自転車吐息』という彼の作品を観て以来の再会です。
映画の内容はよく覚えていませんが、強烈な刺激臭を欲していたあの頃の私が、
今はなき大阪・扇町ミュージアムスクエアで観て心踊らせたことだけは覚えています。
大人になり、無意識に彼の作品から遠ざかっていましたが、
今も変わらず、現代人に巣食った憂鬱をアングラな映像で彩り、
独特の世界観を見せる希有な才能の持ち主であることは間違いありません。
最新作は『奇妙なサーカス』

ある男の頭の中をカパっと開いて見たらこんな感じ、みたいな。
(スプラッター映画じゃありません)
頑張って生きていくのがアホらしくなってきそうな、ちょっと危険な映画です。
精神的にヤバい所にいる時は、観ない方がいいかもしれません。
まだ大丈夫そうな人は、是非観てみて下さい。
その際は必ず「夢の中」から戻ってきて下さいね。(★★★☆☆)


『夢の中へ』
2005年日本映画
脚本・監督 園子温
出演 田中哲司/オダギリジョー/村上淳/夏生ゆうな/市川実和子 /岩松了/麿赤兒/
   温水洋一/手塚とおる/小嶺麗奈/臼田あさ美/菜葉菜

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
コレ、未見ですけどずいぶん最近の映画なんですね。
写真のオダギリジョーは、『時計じかけのオレンジ』 ?

これだけコンスタントに映画を撮り続けているんだから、
相当コアなファンが多いんでしょうね、園子温には。
そうですか、
Akoさんはサブカル少女(確実に死語ですな)でしたか(笑)。
俺の周りには、いまだ80年代魂を忘れない(俺も)
元ナゴムギャル(「ナゴム」ってわかります?)がたくさんいます。
彼女たちの呑み会に交じると、
バンドの裏話とマンガの話に詳しくなれるんです(爆)。

みんなに幸せになってほしいです!
栗本 東樹
2006/01/23 01:30
ナゴムギャルって。。。お会いした事はありませんが噂には聞いてます。栗本さんの人脈おそるべし!
当事の私の愛読書は『STUDIO VOICE(意味もわからずむさぼり読んでた)』、そして現在の愛読書は宝島の『IN RED』。微妙に今も引きずってます。ホント、幸せになりたいっス★
Ako
2006/01/23 22:03
今晩は。
横レスですが、ナゴムギャル・・園子温ってそういう路線に人気あるんですか?
でもナゴムレコードのものを聴いていたのがナゴムギャルだというなら僕も聴いてましたよ。有頂天とか痛郎とか、買ってましたから。劇団健康の芝居を見たこともあるし。そうすると僕はナゴムギャル男だったのか(笑)。
というのは冗談で僕は単にマニアックになんでも接していただけですが、でも痛郎は本気でいいと思いましたね。
園子温から脱線しているが、実は僕は園子温の関係者というのか、園子温が学生時代に付き合っていた(実際、園の映画に何度も出ている)園の元カノの女の子となら何度か、会ったことあるんだけど、あまり園の映画自体は見たこと、なかったりする・・。園が彼女が別れた後もしつこく付きまとうので困るという話なら聞いたことがある・・。
園子温は自主映画の世界ではヒーローのひとりではあったんだけどね。

http://blue.ap.teacup.com/documentary/
kusukusu
2006/01/23 23:49
あ、別に園子温の元カノの女の子と僕が付き合っていたわけじゃありませんよ(笑)。
つーか、実は僕の知人というか友人がその女の子と付き合っていたんです。それでその僕の友人のところに園からたびたび俺の女を返せって電話があったり、実際にやってきて暴れたりしたこともあったらしい。だから僕は園子温の映画をあまり見てないのに、園子温というと妙に懐かしい気がするんですね・・。
kusukusu
2006/01/24 00:01
ナゴムギャル男って。。。チンプンカンプンだけど、なぜかヴィジュアル浮かんできてウケました。
って言うか、園子温に関するレア情報。もちろん本人には会った事ないけど、私のイメージとピッタリで、これまた超ウケました。
VIVA!SONO-SHION!!
Ako
2006/01/24 00:04

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