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夏目漱石による『夢十夜』が書かれてからおよそ100年。 第一線で活躍する十人の映像作家により再構築された現代版『ユメ十夜』。 一風変わったオムニバス映画を観に行ってきました。 映画を観るにあたって漱石の『夢十夜』を読んでみました。 第一夜から第十夜まで、 突拍子もない設定の理解に苦労するも、 しだいに、めくるめく摩訶不思議な世界に引き込まれました。 楽しい夢、悲しい夢、 遠い昔の記憶をたどる夢、行ったことのない景色を見る夢、 色のある夢、色のない夢、 終わる夢、終わらない夢、 夢には色々な種類があり、完結しない夢を見て目を覚ますと、 ほんの数秒間、夢なのか現実なのかわからない、不思議な時間が流れます。 漱石が見た十の夢もしかり。 まったく辻褄が合わず、支離滅裂で、奇想天外。 幻想的で、おどろおどろしく、滑稽で哀しい。 今から約100年昔に、 歴史に名を残した文豪は、一体どんな夢を見たのだろう。 夢が、人の深層心理を表すのなら、 こんな夢を見る人間なんて、よっぽど気がふれているとしか思えません。 しかし、そうは言っても、 もしかしたら、夢の中で私は、 とんでもなく意義深い経験をしているのかもしれないし、 別の人間を生きているのかもしれない。 もしかしたら、夢の中で私は、 とんでもなく大勢の人と出会っているのかもしれない。 もしそうなら、夢の中で経験したことは、 現実の自分に、知恵や悟りをもたらしてくれているのだろうか。 本作でメガホンを取ったのは、 下にも書いたように、日本映画の巨匠から今話題の新鋭まで様々で、 同じ人の話が元になっているなんて、とても思えないほど、 時代背景も違えば、登場人物も違い、クロスする繋がりもなく、 あるものは純文学、あるものはミステリー、 あるものはホラー、あるものはコメディと、 各々が、てんでばらばら思い思いの解釈で一作が描かれていました。 ショートフィルムは、今では一つのジャンルとして成立していて、 短い時間という制約のなか、 伝えたい思いを伝え、インパクトを残す作品とするには、 無駄のないメリハリのある脚本、 計算された美しい映像と、小気味良いテンポが必須で、 長編で高く評価されている監督でも、 短編では、その才能を活かしきれず、面白い作品が撮れない事も十分あり得る事で。 単なるお遊びと見くびるなかれ、 監督陣の苦労の跡が垣間見れました。 第二夜を撮った市川崑監督は、言わずと知れた日本映画界の重鎮。 かの巨匠が、この企画に参加した勇気には脱帽です。 短い時間をリアルタイムで、スタイリッシュに描き、 シンプルな構成で、登場人物も最小におさえることで、 登場人物の息づかいや、刻一刻の時の流れが鮮やかに表現されていました。 『ユメ十夜』は、時の流れが一つのキーワードとなっており、 交錯する時間軸をトリッキーに行き来する場面が多く見られました。 西川美和監督の第九夜。 前作『ゆれる』では、女の目線ならではの辛辣さで、 男の心情をエグルように表現したのが、記憶に新しいところ。 今作でも、夫を思う女の情念が、群青色のおどろおどろしいトーンで彩られ、 いつものように皮肉たっぷりで、面白い一作でした。 さらに、 松尾スズキ監督の第八夜、山口雄大監督の第十夜、 この二作は圧巻でした。 時間いっぱい、息もつかせぬリズム感で捲くし立て、 かと言って、原作からかけ離れてしまうことなく、 その匂いやユーモアの源流を汲みつつ、 絶妙なバランスでチューニングし、 笑いあり、お腹いっぱい、満足度の高い作品に仕上がっていました。 たかが夢、されど夢。 100年の時を経て、ふたたび蘇った、 凡人には想像も及ばない、漱石のファンタジー。 これ、見ない手はないですよ。(★★★★☆) 『ユメ十夜』 2006年日本映画 ・第一夜 監督:実相寺昭雄 出演:小泉今日子/松尾スズキ ・第二夜 監督:市川崑 出演:うじきつよし/中村梅之助 ・第三夜 監督・脚本:清水崇 出演:堀部圭亮/香椎由宇 ・第四夜 監督:清水厚 出演:山本耕史/菅野莉央 ・第五夜 監督・脚本:豊島圭介 出演:市川実日子/大倉孝二 ・第六夜 監督・脚本:松尾スズキ 出演:阿部サダヲ/TOZAWA/石原良純 ・第七夜 監督:天野喜孝/河原真明 出演(声):Sascha/秀島史香 ・第八夜 監督・脚本:山下敦弘 出演:藤岡弘、/山本浩司 ・第九夜 監督・脚本:西川美和 出演:緒川たまき/ピエール瀧 ・第十夜 監督・脚本:山口雄大 出演:松山ケンイチ/本上まなみ/石坂浩二 |
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第一夜にはかなり思い入れがあるのですが、どうでした? |
kiku 2007/02/08 23:43 |
kikuさんこんばんは。 |
Ako 2007/02/10 01:32 |
こんばんは。 |
kusukusu 2007/02/10 18:43 |
>kusukusuさん |
Ako 2007/02/11 21:41 |
あ、厳しいですね・・ |
kusukusu 2007/02/11 22:50 |
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