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help リーダーに追加 RSS 『パリ、ジュテーム』

<<   作成日時 : 2007/03/24 02:36   >>

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日本の、とりわけ日本人の女子は、パリが大好き!
もれなく私もその一人です。
何となくオシャレで、気取っていて、絵になるパリ。
今日の映画は、『パリ、ジュテーム』。

本国フランスのみならず、
アメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジル、ドイツ、スペイン、イギリス、
日本からも、総勢18人の監督が、
思い思いのパリを描いたオムニバス映画です。
パリ各区を舞台に、
そこにある人生の「出会い」や「別れ」が、
各作品5分という短時間の中に収められており、
時に衝撃的で、時に切なく、時に滑稽で、
5分という短時間だからこそ、余韻が尾を引き、
なんとも言えない味わいを残していました。
街の景色と人間模様が絶妙に混ざり合い、
その街でしか成立しないシーンが切り取られていきます。
そして、どこよりも映画が似合う街、それがパリなのです。

高校を卒業した春休み、私は一人でフランスを旅しました。
フランス映画が好きで好きで、
スクリーンで見た光景を、
自分の目で見たい一心でフランスに行きました。
18才の私が見たパリは、
古めかしくくすんだ色合いの建物と清潔とは言い難い舗道、
オープンテラスで本を読みながら一人カフェオレをすするパリジェンヌ、
下町の小さなアトリエで靴を作る職人、
場末の散髪屋にたむろするアフリカ系の黒人、
深夜の映画館の列に並ぶ老夫婦、
ルーブル美術館には各国の観光客。
異邦人の私は、ただ目に映るその風景を見ていました。

パリ郊外のヴァンヴという街で週末ごとに開かれる蚤の市に足を運んだ時、
一人の陽気なおじいさんが私に声を掛けてきました。
何となく調子を合わせていると、
骨董品一つ一つを指差し、
延々と、それらの説明を私にしてくれました。
フランス人のフランス語は、
ただでさえ早口で外国人には聞き取りにくく、
フランス語がほとんどわからない私には、チンプンカンプンで、
なぜ、おじいさんは私に色々と教えようとしてくれたのかは、わかりません。
ただ、おじいさんと一緒に蚤の市を歩いた時間が、
鬱陶しいどころか、
とても心地良かったのを覚えています。
一人旅で、誰かと一緒に時間を過ごす事に飢えていたのかもしれません。
何かを伝えあわなくても、
一人でいるよりは、よっぽど楽しかったのでしょう。
おじいさんは、ある小さな船の置き物を指差して、
「バト、バトー」と私に言いました。
「バトー(bateau)」はフランス語で船の意味。
私はそこで初めてその単語を知り、
思い出とともに、その言葉を忘れることがありません。
帰り際、気に入った古い小さな額縁を買おうとすると、
おじいさんは黙って私に買って持たせてくれました。
50フランくらいだったその額縁は、今も私の部屋の壁にあり、
その額縁を見る度に、あの時のおじいさんの事を思い出します。

パリだけじゃない、東京にも。
街があるところに、人生があり、
人が出会い、小さな変化が生れる。
誰の人生の中にも映画のようなシーンがある。
私が映画を観たいと思うのは、
誰かの人生と出会いたいから。
どこかの街で生れた誰かの小さな変化を見たいと思うから。
そして、自分の人生にも映画があることを感じたいと思うのです。
原点のような映画でした。(★★★★☆)


『パリ、ジュテーム』
2006年フランス・ドイツ
監督 ブリュノ・ポダリデス/グリンダ・チャーダ/ガス・ヴァン・サント/
   ジョエル&イーサン・コーエン/ウォルター・サレス&ダニエラ・トマス/
   クリストファー・ドイル/イザベル・コイシェ/諏訪敦彦/シルヴァン・ショメ/
   アルフォンソ・キュアロン/オリヴィエ・アサヤス/オリヴァー・シュミッツ/
   リチャード・ラグラヴェネーズ/ヴィンチェンゾ・ナタリ/
   ウェス・クレイヴン/トム・ティクヴァ/フレデリック・オービュルタン&
   ジェラール・ドパルデュー/アレクサンダー・ペイン
出演 ギャスパー・ウリエル/イライアス・マッコネル/マリアンヌ・フェイスフル/
   スティーヴ・ブシェミ/カタリーナ・サンディノ・モレノ /
   バーベット・シュローダー/ミランダ・リチャードソン/セルジオ・カステリット/
   ジュリエット・ビノシュ/ウィレム・デフォー/リュディヴィーヌ・サニエ/
   マギー・ギレンホール/ファニー・アルダン/イライジャ・ウッド/
   オルガ・キュリレンコ/エミリー・モーティマー/ナタリー・ポートマン/
   ジーナ・ローランズ/ベン・ギャザラ/マーゴ・マーティンデイル

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「パリ、ジュテーム」★★★☆ワリと良かった ナタリー・ポートマン、 18人の監督、ガス・ヴァンサント他 ...続きを見る
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シネクリシェ
2007/04/05 02:46

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