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小説はなるべく読まないようにしています。 小説を読み始めると、止まらなくなるからです。 一冊読むとまた一冊、 通勤の電車の中で、歩きながら、 一旦読み始めると、むさぼるように読み耽ります。 本が好きな人なら、 何でもないことかもしれませんが、 こうして永遠に本を買い続けていいのだろうか、 という罪悪感のようなものがつきまといます。 いつかこのサイクルを終わらせなければと思いながらも、 物語にのめり込むあまり、 しだいに、現実とフィクションの世界が融け合っていき、 今よりもっと、 生きるのが難しくなりそうで、不安に陥ります。 ふと我にかえり、 わりに真剣に考えてしまいます。 今読んでいる本は、 作者が年若いせいか、 おおむね、とるに足らない内容なのですが、 時折、ズキっと刺さるフレーズがあり、 立ち止まらされます。 〈誰よりも自分をうまく騙せる者が、誰よりも楽しく暮らせる〉 登場人物の一人である孤独な自殺屋が、 (人を自殺させるプロ。その男が前に立つと、 皆本当は死にたかったかのように自殺していく。) 肌身離さず持っている、『罪と罰』からの引用らしいこの一節が、 とても引っかかりました。 本当にそうなのか。 自分を騙し得た幸せの幻想は、 いつか自分の中で破たんすることはないだろうか。 『君とボクの虹色の世界』という映画をDVDで観ました。 奇妙なキャラクターの登場人物たちのハーモニー。 言葉少なな中に、独特のリズム感があり、 哲学的な言葉の羅列が、何とも心地よく、 突拍子もない出来事が不規則に発生しつつ、 もつれた糸がしだいに解けていくように、 映画の中に引き込まれていきます。 誰かとつながることは、 目の前にある、身の丈ほどの大きな紙を突きやぶり、 その先にある何かを確認することに似ている。 時に、何より楽しい作業であり、 時に、この上ない恐怖である。 FOREVER YOU ME 一人でいることで育まれる強さがあります。 自分が自分でいるために、 誰かと触れあいたいと思うことがあります。 生きていくために、 ただ生きていくために、 自分以外の誰かのぬくもりを感じたい、 ただそれだけ。 限りなく狭い世界で、 限りなく大きな夢を見る。 人の営みすべてが、愛おしく感じられる映画でした。(★★★★☆) 『君とボクの虹色の世界』 2005年アメリカ映画 監督・脚本・出演 ミランダ・ジュライ 出演 ミランダ・ジュライ/ジョン・ホークス/マイケル・トンプソン/ ブランドン・ラトクリフ/カーリー・ウェスターマン/ヘクター・エリアス |
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