|
ナルコとはナルコレプシーという睡眠障害のこと。 ストレスや感情の起伏を引き金に、 場所や時間を選ばず、日中でも突然眠りに落ちてしまうという、 厄介な病気があるらしいのです。 『マイ・プライベート・アイダホ』で、 リバー・フェニックスが演じた役もこの病気の青年でした。 私も人より夢を見るほうだと思います。 ベッドで目をつむり、しばらくすると、 その日の夢の冒頭が、 じわじわと、意識のなかで幕を開け、 自ら考えようとしても、到底考えつかないような設定の、 突拍子もない出来事が、頭のなかで展開しはじめます。 そして、微かに残っている覚醒した意識の方で思うのです。 「こんなこと、現実にはあり得ない」 「ということは、私はもうすぐ眠るんだ」 「今晩私は、こんな夢を見るのか・・・zzz」 面倒くさい反面、ちょっと面白そう、 思いつつ、 抗いようのない睡魔に、意識を引きずられていきます。 映画は、壮絶な戦闘シーンで始まります。 耳を被いたくなるほどの轟音が響き、 迫りくる戦場での緊迫感、 あまりのリアルさに、劇場を間違えたかと思うほどでしたが、 もちろんそれは、 紛れもいなく、主人公ギュスの夢の中での出来事です。 夢で起こる出来事というのは、 往々にして、現実より鮮明なもの。 なぜなら、自らの深層心理が露になり、 見て見ぬふりをしてきた現実や、 悟られぬよう必死で隠していた感情さえも、 容赦なく具現化されるから。 稚拙で単純で、 狡くて残酷で、 恐ろしく臆病な内面を突きつけられるのが夢なのです。 まかり間違って、 人の夢を映像化する機械などが発明されたら、、、 考えただけでもゾッとします。 ギュスが見る夢は、 巨大なロボットに、スパイアクションに、 いずれも取るに足らない子供じみた内容で、 後にその夢が、思わぬ方向に発展するのですが、 それは、この映画唯一のストーリーなので、 置いておくとして。 れっきとしたフランス映画ですが、 一見すると、アメリカのB級映画のようでもあります。 現実のシーンと比べ、 夢のシーンだけが、 やたら凝った作りになっている以外は、 大したストーリーもなく、 とりたてて、観るべき見どころのない映画、 初めのうちは、そう思っていました。 しかし、映画というのは、 そこで諦めては、何も見えてこないもの。 退屈でも好みじゃなくても、 我慢して、ちゃんとスクリーンと向き合っていれば、 必ずイイことがあるものです。 始めのうちつまらなければつまらない程、 観るべきところを見つけた時の喜びは大きいのです。 始めから終わりまで、 何一つ心を揺さぶられないというのは、 やはり、観る側のコンディションに問題があるのだと、 私は思うのです。 この映画も、後半にかけて、 それまでの軽妙さから一転し、 味わい深さを見せはじめます。 そして最後には、 映画としての責任を果たすべく、 伝えるべき大切なメッセージを届けてくれます。 愛してくれる人にとって、君はスターだ 俺にとって、君はプリンセスだ 私を含め、世の中の大半の人が、 退屈で、小さな絶望に満ちた人生を送り、 金も無く、それゆえに希望も持てずに燻っています。 それでも、家族や友達、 1人でも、自分のことを理解してくれる人がいるなら、 その人生に光はあるのだということ。 一緒にテレビを見て、一緒に笑える幸せがあるということ。 欠陥だらけで、取るに足らない人生の、 ささやかな生活に、 そこにある幸せに気づかされ、心あたたまります。 やられました。 かなり好きです。(★★★★★) 『ナルコ』 2004年フランス映画 監督 トリスタン・オリエ/ジル・ルルーシュ 出演 ギョーム・カネ/ザブー・ブライトマン/ブノワ・ポールヴールド |
| << 前記事(2007/11/01) | トップへ | 後記事(2008/01/26)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|---|
ナルコ
ナルコ オリジナル・サウンドトラック(2007/10/24)セバスチャン・テリエ商品詳細を見る 監督 トリスタン・オリエ 、ジル・ルルーシュ (2004年 フランス) 原題:NARCO ...続きを見る |
ゆるり鑑賞 Yururi kansho 2007/12/09 21:56 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
突然で申しわけありません。現在2007年の映画ベストテンを選ぶ企画「日本インターネット映画大賞」を開催中です。投票にご参加いただくようよろしくお願いいたします。なお、日本インターネット映画大賞のURLはhttp://www.movieawards.jp/です。 |
日本インターネット映画大賞 URL 2007/12/26 19:05 |
| << 前記事(2007/11/01) | トップへ | 後記事(2008/01/26)>> |