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help リーダーに追加 RSS 『コントロール』

<<   作成日時 : 2008/04/22 01:08   >>

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23才という若さでこの世を去ったイアン・カーティス。
駆け抜けた短い人生を駆け抜けた、
一人の青年を描いた映画です。

彼が在籍していた「ジョイ・ディビジョン」というバンドも、
イアン・カーティスが逝った後結成された「ニューオーダー」も、
ほとんど聞いていないので、
彼らの音楽性など何の知識もありません。
ただ、才能あるアーティストの早すぎる死というのは、
誰しもが興味を抱くところ。
彼を死へ突き動かしたものは何なのか。
彼は特別だったのか。

イアンの人生は、その早い結末を予測するかの如く、
様々なことが、早いスピードで彼の身に降りかかります。
若くして結婚、子供を持ち、
妻以外の魅力的な女性との恋、
世間から期待される自分と本当の自分とのギャップに苦しみ、
病気、そして死への恐怖。

しかしそれらは、
決して彼だけに起こる事ではなく、
誰にでもありえることです。
自ら死を選ぶほど追い詰められたのは、
一人の青年が、
それら一つ一つを理解し消化できないまま、
周囲に流されざるを得なかった状況のためであり、
20才そこそこの人間には、
とても持ちきれない悲しみを、
真っすぐ受け止めることしかできなかった、
純粋さゆえの悲しい結末だったのだろうと思うのです。

決して特別な人間ではない、
特別ではないからこそ、
見えた風景を綴った詩に人々は共感し、熱狂した。
しかし、それが彼を苦しめた。

イアンの妻を演じたのは、サマンサ・モートン。
自殺をする直前、最後に言葉を交わしたのも、
一人にしてくれと言われ、
戻って最初に彼の亡きがらを見つけたのも彼女でした。
幼い子を抱きしめ、
「誰かたすけて!」と泣き叫ぶ彼女の姿は痛々しく、
この上なく悲しい姿でした。
周りの誰も、若い彼らを救うことは出来なかったのだろうか。

死んでしまいたいと思うことはあります。
誰かを傷つけ、誰かに傷つけられ、
誰かにとって自分はとてつもなく無用の存在で、
自分で自分を汚らわしいとさえ思う。
誰にも愛されないのなら、いっそ消えてしまいたい。
突発的に思うことがあります。

そのたびに、
限りないの自分の未来を少しずつ諦め、
昨日より情けない自分を認める準備をする。
みるみる削られていく自分の可能性を知り、
所詮それが自分なのだと静かに受け入れる。
それができるうちは、
自ら命を絶つことはありません。
しかしそれは紙一重で、
不確かな存在であることに違いはありません。

ありふれた悲しい物語。
誰かが幸福を手にした時、
その一方で、誰かが悲しみに打ちひしがれている。
誰もがそのどちらにもなりうるのです。
だからこそ、
この悲しみから目を背けてはいけない。
そんな思いにさせる映画でした。(★★★★☆)


『コントロール』
2007年イギリス・アメリカ・オーストラリア・日本映画
監督:アントン・コービン
出演:サム・ライリー/サマンサ・モートン

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